クリスマスといえば、七面鳥とクリスマスケーキを思い浮かべますが、 
      これらのごちそうは、いつ、どのようにしてクリスマスの食卓に並ぶようになったのでしょうか? 
      また、クリスマスのごちそうには、その他にどのようなものがあるのでしょうか。 
     
    [クリスマスと七面鳥] 
      絵本などに出てくるクリスマスの食卓には、七面鳥が必ず描かれていますが、 
      クリスマスに七面鳥を食べる習慣は、1620年にイギリスからアメリカへ移り住んだピューリタンが 
      初めての収穫祭に野生の七面鳥を食べたことから始まったとされています。 
      その後、その習慣がヨーロッパへ伝わり、クリスマスのメニューとして定着していったそうです。 
     
    [クリスマス・プディング] 
      クリスマス・プディングは、イギリスで主に食べられています。 
      中世期には、プラム粥またはプラムポタージュと呼ばれていました。 
      牛肉に、プルーン、レーズン、カランツ、スパイス、砂糖、サック酒レモンジュース、赤ワインを加え、 
      煮込んで作っていました。 
      その後、徐々に牛肉を入れなくなり、牛脂を加えてドライフルーツだけで作られるようになっていきました。 
      通常プディングを作る時は、何週間も前から準備に入り(12月の第1日曜日はスターアップ・サンデーと呼ばれ、 
      最高のプディングをつくり始める日とされています。)木のスプーンを使って、 
      家族が一人一人願い事をしながらかき混ぜることが習慣となっています。 
      プディングの中に、コインまたはお守り、国によっては指輪と銀のコインと指貫の三種類を入れます。 
      指輪は結婚できるように、コインはお金持ちになれるように、 
      指貫は幸せな人生をおくれるようにとの願いがこめられています。 
      これらは、イングランドやスコットランドの宮廷で、 
      十二日節にプディングの中に隠された豆を探すことによって、 
      クリスマスのお祝いのリーダー役を選んだという話に由来しています。 
    各家庭のクリスマス・プディングのレシピは秘伝とされることが多く、 
      代々受け継がれていきますが、その多くは王室のサンドリンガム・レシピを基本にしているそうです。 
      作られたプディングは、クリスマスの日にヒイラギの葉を上に添え、ブランデーをかけて火をつけ、 
      素敵な食事となります。 
     
    [ブッシュ・ド・ノエル] 
      ブッシュ・ド・ノエルは、木株の形をしたケーキで、主にフランスで食べられています。 
      なぜ「薪」の形になったのでしょうか?これにはいくつかの説があります。 
    ・その昔、ケルト人が冬至の祭りで木の薪を燃やしていた習慣に基づいているとの説 
      ・生まれたばかりの幼な子イエス・キリストがこごえないように火を焚いていたことと、 
      長い冬、力を弱めた太陽神の復活を祈り、厳しい冬を越すために人々は火を焚いていたことから、 
      かつて欧州では、クリスマスの12日間薪を燃やしつづける風習があったとの説 
      ・北欧では樫の薪を暖炉に燃やすと一年中無病息災でくらせるという神話からきた説 
      ・前年の冬の燃え残りの薪で作る灰は、これから1年間の厄除けになるという伝説により、       
       お菓子も縁起のいい薪形になったという説。 
      ・昔貧しい男性が愛する女性にクリスマスプレゼントとして古木をプレゼントし、 
      贈られた女性は男性の飾らない優しさに惹かれ、2人は結ばれたという説。 
     
    [シュトレーン] 
      シュトレーンは、ドライフルーツ入りのパンで主にドイツで食べられています。 
      非常に日持ちがする(1ヶ月くらい)どっしりとした風味のお菓子です。 
      長い形のパン類を中北部ドイツでは Striezel 又は Struzel と呼び、 
      そのパンが Striezel markt という所で販売され、白い粉砂糖を振り掛けられ白い塊のような形が 
      降誕祭物語に記されている、「むつきに包まれた子供」をあらわし、これが由来だそうです。 
      ドイツのザクセン地方の人々は方言で、この膨らんだ長いパンを、 
      Stolle又は、Stollenと呼んでいました。 
      シュトレーンは、一般的に色とりどりのナッツ、ドライフルーツ、クリスマススパイス、 
      シナモンなどと、ブランディーやラム酒で作られます。 
     
    [ミンスミート・ミンスパイ] 
      もともとミンスミートは、16世紀ごろ肉を長持ちさせる方法として、 
      肉にスパイスと果 物を加えて作ったものでした。 
      ミンスミートを使ってつくるミンスパイは、クリスマスパイまたはミンスパイと呼ばれており、お祝い用ごちそうの 
      重要な一部です。 
      オリジナル・ミンスパイには、イエス・キリストの誕生を祝い、キリスト像の形につくられていました。 
    パイの中に、ミンスミートとスパイスと果 物を混ぜたものが入っており、 
      オリジナル・ミンスパイは甘味が少なく、以前はクリスマスランチの最初に食べていました。 
      今では甘味のほうが強くなり、食後のデザートとして食べるようになっています。  
    12月中、毎日ミンスパイを食べると幸運になり、 
      出されたミンスパイを残したりすると不運になるといわれています。 
     
    [クリスマスワイン(アイスワイン)] 
      アイスワインは、クリスマスシーズンにだけ飲まれる特別な甘いワインです。 
      12月までぶどうを収穫せずに、天然の干しぶどう状態になったものを、 
      気温がマイナスになった頃、凍ったぶどうを収穫し、氷水ごと絞って作ります。 
      その年には飲めませんが、こうして作られたアイスワインはフルーティでとてもおいしいのです。 
      クリスマスの夜に収穫して作るクリスマスワインは、もっとも高価なアイスワインといわれています。 
     
    [クリスマス・クラッカー] 
      クリスマス・クラッカーは、クリスマスの食卓では、美しく包装されて両端がひねってある管状のクリスマス・クラッカーが 
      置いてあります。 
      両端を引張ると、パンッと音がして中から紙製の帽子やプレゼント、プラスチック製の指輪などが飛び出してきます。 
      クラッカーはロンドンでパン屋を営んでいたトム・スミスが1846年に考案したものです。 
     
    [ジンジャークッキー] 
      ジンジャークッキーは、クリスマスを代表するお菓子です。 
      様々な形がありますが、中には豚の形をかたどったものもあります。 
      北欧ではクリスマスに豚を食べる習慣があり、 
      昔、貧しい家庭では本物の豚を食べることができなかったので、 
      代わりに豚の形のパンを食べたことが始まりとされています。 
     
    [キャンディケーン] 
      キャンディケーンは、クリスマスツリーのオーナメントなどでよく見かける、杖の形をしたキャンディです。 
      18世紀後半頃、ドイツのクリスマスでは、羊飼いの杖の形に曲げた白いキャンディが食べられており、 
      これを20世紀初めにアメリカのキャンディ店がイエス・キリストをイメージし、現在のような形にしたといわれています。 
      キャンディの白色は純潔さを、赤い線は十字架で流した血の色を、 
      緑の線はイエスが「神から人々への贈物」であることを表わしているそうです。  
     
	   
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